織った人、縫った人、袖を通した人たちの想いと時間を感じながら、
新しい容へとリメイクしています

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裏勝り2021.03.07

久々にドーーン!と銘仙です♪ このお気に入りの銘仙からワンピースを制作していきます。

羽織の裏地は背の部分と袖だけで、そのほかは表地を用いています。男性羽織の裏地や襦袢などの見えない部分に、表地より豪華なものを忍ばせる『裏勝り』は江戸時代に流行りました。当時幕府が奢侈禁止令(贅沢禁止令)をしばしば出したので、工夫して見えない部分に華やかなお洒落をして楽しんでいたのでした。

今もシックなコートの裏地が目を惹くような鮮やかなものだったり、またツッパリ学生(死語かな笑)の学ランの裏地が派手な竜の刺繍だったりと、見当たることも多々あります。

不自由な事態が新しい発想を生み出すことはいつの時代も同じことなんだと経緯を理解したらわかります。

さて銘仙では、派手な表地に派手な裏地でどちらが勝っているのかわかりませんが、洋服で考えるとありえない取り合わせであっても、銘仙ではしっくり落着くのは何とも不思議な魅力です。

この銘仙羽織もしかりでして、華やかな銘仙なのにハッと目を惹く裏地が使われています♪

依頼主からはこの裏地をどこかに裏勝って使ってほしいと要望がありましたが、残念ながら洗いをかけたら裏地はボロボロになってしまいました・・・ 古布を扱うのはトキメキと落胆のくり返しが時々あります。

↑ こちらは今まで制作してきたものですが、ポケット口にチラ見せ効果を用いています。意外なところにあらっ♪ と思ってもらえたら嬉しいですねー!

カテゴリー:銘仙

これからの着物は?2021.03.01

先だって橿原の百貨店(奈良)イベントで感じたこと。

平日での日中の来場は60代以降の方がほとんどで、その多くの方が「うちにも着物が沢山あって、どうしようかと思っている・・・」 と同じことを話されていました。本当に皆さん良いものをお持ちで困ってられるんですよね。一番いいのは身内が着てくれたらいいのだけどそうはいかない。業者に引き取ってもらおうと思ったら二束三文であまりにも切ない。そうなんですよね。今の現状は。なのでイベントの時に、あらっこんな風にリメイクしたら良いのね…となって盛上がるのですが、お話で終わることが多いです。涙。このパターンの時には・・

さて自分を振り返ってみたら、6歳上の姉がお嫁入した時は桐のタンスの中にひと通りの着物を揃えていました。当時商売をしていた祖母が初孫だった姉のために心を込めて選んだ着物類がそこには入っていて、今見てもオツだなと思う誂えです。一方私の時は姉より10数年後だったので時代は変わっていて全く用意はありませんでした。ただ夏冬の喪服だけは揃えてもらいました。(まだしつけのままです)

姉と私との差があるということは、今は持て余されている着物がたくさんあるけれど、あと数年たてばそれはなくなっていくんでしょうね・・と、私でもわかります。そんなこんなを感じながら今日も着物のことを想いながらの3月明けです。

神社仏閣や和に触れることが好きです。落ち着くんでしょうね。春はやっぱり気分が開きます♪ さあ気軽に着物を着ましょうか。

ご一緒にいかがですか♪

 

カテゴリー:うさぎのつぶやき

卒展を訪れて・・2021.02.22

講師をさせてもらっている専門学校での卒業展を訪れました。こちらはその中のトワリスト部門の一部です。

《トワリストとは》《(フランス)toile(型取り用の粗布 (そふ) )から》デザイン画をもとに立体裁断をし、服の型紙を作る人。

つまり型紙を起こす人になります。なのでトワリスト部門とは、その粗布(シーチング)で立体裁断をして服を完成させての部門になります。たまたま会場入口で検温をしてくれた人がよく話をしていた生徒さんで、このトワリスト部門に挑戦したとかで。実は受賞を目指していたけど今回は残念な結果だった...でもまた来年もトライし、そして今年はパターン1球検定も受けたいとの話を伺いました。私にとっては若さのパワーが微笑ましくも羨ましい。

洋服を作成する前に本当の生地は値段も高いので、このシーチング(トワールとも言います)で仮組して縫製して出来上がりを予想します。私はこのトワール組み立てがやっぱり本当に好きでパタンナーをやってきた理由の一つになっています。組み立てているのも見るのも好きです。

どうしてもパターンから見てしまいがちですが、この部門は以前からレベルが高いなと常々思っており実に見応えありました。

 

そして、はずせないファッションショー!20代だからとか学生だからとか関係なく、クリエーションの発想を見るのは楽しくもワクワク♪

今年一年は誰もが辛抱我慢をしてきた。授業もままならない時もあった中、きっといろいろと思い考えながらの製作はまた違う味わいがきっとプラスされているはず。

カテゴリー:うさぎのつぶやき

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